世界できっと、キミだけが
「メインで貴方につくのはこの鹿島になりますが、交代で私がつくこともあります」
「あの、メインを吉沢さんにしてもらう事ってできないんですか?」
「申し訳ないけどそれはできないの。鹿島の方が腕は確かだし、貴方を護るには適している。口は悪いけど、ボディーガードとしては彼はとても優秀だから」
期待はすぐに打ち消された。
でも、私本当にこんな人に護ってもらうなんて嫌。
「それよりも、早く出た方がいいわ。学校、遅れちゃうわよ」
「えっ!?あ!いけない!」
「一度幸子お嬢様としてこの屋敷を出てもらう。別の場所で車と服を変え、お前として学校に向かうという手筈だ」
「え…、そんな面倒くさい」
「この屋敷から出た幸子お嬢様に似たお前が一般の高校に行けば目立つし、不自然だろうが。バカか」
「なっ…!」
「鹿島、口を慎みなさいって」
吉沢さんが見かねて声をかけてくれるけど、もう一度出た言葉は取り消せないんだから。
バカバカバカって、なによ、そんなにその幸子お嬢様の方がいいっての。
信者か何か?
ほんと、嫌になっちゃう。
「おい、制服を少しかせ」
「は?変態」
「馬鹿か」
心底呆れた顔で私から制服を奪う。
なによ。