世界できっと、キミだけが
「キャ!?なに!?浩一さん!」
「…っ」
ずるっと、私の身体からずり落ちていく浩一さんを必死に支える。
いつの間にか、数人の男に取り囲まれていた。
「な、なんなの…」
「悪く思うなよ」
そう言って男は、木の棒を再び振りかざす。
「やめ…ろ…!」
浩一さんが苦しそうに顔を顰めながら手を伸ばす。
だめ、これ以上!
私は浩一さんに覆いかぶさり、護るように身をかがめた。
その瞬間、頭に激痛が走り、私はくらっと世界が回り意識が遠のいていく。
いったい何が起きたの…?
この人たちはいったい誰で、なんの目的で…?
わからない。
だってもう私は、宇都木とは何のかかわりもないはずなのに――――――。