世界できっと、キミだけが


そうだ。
私まだ返していない。


竜がこっそりとつけてくれていた制服のスカートについたGPS。
返さなきゃって思って外した後ジップロックにいれてポケットの中に突っ込んでしまってた。

学校帰りだったから制服だ。
きっとポケットの中に…。




「はぁ…はぁ…。あんまり怒らせないでくれる?手加減できないじゃない」

「もうやめて…、吉沢さん…っ!」




ばれないようにスカートを回し、後ろ手で縛られている手をどうにかポケットに入れる。
あった…!


強い衝撃で位置と音声が届くんだよね。
お願い、届いて…!



靴で壊れない程度に強く踏む。
反応したかわからない。




「…っ、助けて!!!」




私は、精一杯の声で叫んだ。




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