世界できっと、キミだけが


「ですので、これよりマナーをしっかり身につけていただきます」

「……え」



そ、そうか。
そういう場面に出るってことは、身だしなみやら行動まで見られるってことだ。
いくら姿がお嬢様に似ているって言っても、立ち居振る舞いが最も重要だったりするのだ。

…さ、先行き不安。



「という事で、背筋をピシッと伸ばして箸を使うことは許しません」

「え、い、今から!?」

「善は急げです。身に沁みつくほどに繰り返し行わなければ、必ずぼろが出ますから」



伊永さんって、意外とスパルタ!?
私は、厳しいマナー講習に泣きたくなるほどに鍛え上げられた。


伊永さんの鬼~!



「…つ、疲れた……」



部屋に戻って来たころには私はすっかり魂の抜けた抜け殻のようになっていて。
へとへとになりながらベッドに倒れこんだ。

ぼふっとスプリングの聞いたベッドが私の身体を優しく包む。
なにからなにまで高級ないいものばかり。


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