世界できっと、キミだけが


「夢、なんてさ、女の子はお嫁さんになること、ってのだっていいんだからね」

「お嫁さんかぁ…」

「紗千の隣には誰がいるんだろうね?鹿島さんかな?」

「そ、そんなわけないよ!…そ、そうだったら嬉しいけどさ…」




思わず正直にそう答えると、菜穂は含んだような笑顔を浮かべる。
やだもう、恥ずかしい。




「鹿島さんにも、ちゃんと夢報告しなよ」

「ええ~」

「当たり前でしょ!ちゃんと言っておかなきゃ、怪我した時来てくれないじゃん」

「怪我とか、してほしくないんだけど…」

「それは前提としてでしょ!」




夢なんて話して、聞いてくれるのかな。
興味ないと思うんだけど。


でも、もし今度会えた時に話せたらいいな。
私の夢。
私の事、もっと。



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