世界できっと、キミだけが
『それから帰りは、16時にここで待っている。絶対に遅れるな。それと、それまでは絶対校外に出るな』
鹿島さんの言葉を思い出す。
でも、私だって普通の女子高生だもん。
友達と放課後に寄り道したりしたい。
そう思うのは、普通のことだよね。
それに、あれは宇都木グループの関係のある場所だったから危険だっただけで、ここは小野田紗千としての居場所だもの。
あっち側の人たちとは関係のない場所。
今までだって似ていたって誰も気づかなかったし、問題なんてなかったんだから。
「私も行きたい!」
大丈夫だよね。
「最近付き合い悪かったのに、大丈夫なの?」
「うん。私も久々にモック食べたいし。2人といたい」
「じゃあ行こうぜ!」
こういう日常が、私の本来の居場所だって痛感する。
ああ、楽しみだな。