世界できっと、キミだけが
「う、み、だあー!」
見渡す限りの海!
私は嬉しくって叫ぶ。
いろいろ思うことはあったけど、今日小野田紗千として仲のいい友だちと過ごせる。
それがこんなにも幸せで嬉しい。
「テンションたかー」
浩太がケタケタと笑う。
だって嬉しいのよ。
浩太達にはなんでかなんてわからないだろうけど。
「とりあえずさ、着替えに行こうよ」
「うん。じゃあ、浩太、…竜、後でね!」
私は菜穂と共に更衣室に向かう。
チラリと見ると竜に目配せされた吉沢さんが後ろをついてきてくれる。
吉沢さんも、今日は周りに溶け込むように私服姿だ。
吉沢さん。
今日のこと、あまりよく思っていないようだった。
それなのに、警護についてくれてるんだ。
申し訳なく思いながらも、竜に言われたことを思い返し私は前を向く。