自意識過剰じゃないですか?
「沈黙は肯定と思ってもいいのかな?」

と、俺が言うと、彼女は咄嗟に思いがけない事をいった。

「あ、申し訳ございません。先程仰ったお話が良く聞き取れなかったもので…。」

「どういったご用件でしたでしょうか?」

とぼけられた?

俺の中に信じられない思いがあふれる。

あの顔は絶対に聞こえてた。

聞かなかった事にされた。

余りのショックに顔に出さないでいられたか全く自信がない。

彼女は俺が何も言わないのを見ると、作業が終わったのか、間接照明のライトを着けて、片付け始めた。

彼女の丁寧な所作に見惚れていたら、彼女がドアに手をかけた。

俺は焦って急ぎ、言葉をかけた。
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