ウルフの恋に溺れて。
いい噂を聞かない…か。
「真田くんは、そんなに悪い人じゃないと思うんだけどな…」
私がボソッと呟いたのをよそに、桜は何かを見つけたように上を見上げていた
「桜?どうしたの?」
「ねえ、あれ、真田くんじゃない??ほら、あそこのフェンスの所」
桜が見ているのは、屋上のフェンスだった。
太陽が眩しくて、上手く見えないが、たしかに真田くんだった。
「あんな所でなにやってんだろ、ま、ウチらには関係ないか!」
桜はそう言ってお弁当箱をしまい始める。
「ほら!ひなの、もう昼休み終わるし教室戻ろ!」
「あ、うん、そうだね戻ろう!」
私、本当に真田くんに関して何も知らないや、お昼休みはいつもあそこにいるのかな?