ウルフの恋に溺れて。


「あれ、ひなの!本当にお腹痛かったの?ずっと返ってこなかったからさすがに心配したよ!」


教室に入ると桜が駆け寄ってきた。




「あ、うん、そう!さっきまで保健室で寝てたんだ!」



桜には、凜音のこと、あんまり言えないや。




「そっか、もう体調は大丈夫?」


「うん、大丈夫!ごめんね心配かけて、」



うぅ、いくら仕方ないとしても、友達に嘘を着くのはやっぱり胸が痛む…。早くこの話を終わらせたい…。




「あ!そうだひなの!明日の帰り、駅前のカフェ行かない?新作ケーキ出たんだって!」




私の心を察したかのように、桜が話題転換を始める。




「えぇ!そうなの!?行きたい!」





駅前のカフェと言ったら、毎月おいしい季節のタルトケーキが発売されることで有名なお店だった。




「よし決まり!じゃあ明日は授業終わったら速攻で帰ろ!」



そうして今日も長い一日が過ぎていった。





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