ウルフの恋に溺れて。
「いらっしゃいませー」
私は休み時間に桜と約束した通り、駅前のカフェに来ていた。
「この季節のタルトケーキ一つと、ブラックコーヒーを一つで!」
桜が慣れたように注文をしていく。
「私も季節のタルトケーキ一つと、キャラメルラテ一つでお願いします。」
店員さんにメニューを下げてもらい、私達は一息つく。
「はあぁ、やっぱりこのカフェの雰囲気いいよね、落ち着くわぁ。」
そう言いながら桜が伸びをする。
「食べ物も飲み物もおいしいし、ここら辺では一番だよね!」
こうして他愛もない話をしていると
「お待たせしました!ブラックコーヒーとキャラメルラテになります!」
店員さんがドリンクを運んできた。
「あれ…?風葉高校の生徒さんですか?」
風葉高校。通称かざ高は、私たちの通っている高校の名前だった。