現役女子高生、メイドになります!
――目を開けると、辺りは真っ暗闇だった。遠くにかすかな光が差している。



……トンネルの中にいる。どこにつながっているんだろう。



光に向かってゆっくりと歩きだす。それなのに、しばらく歩いても光が近づく気配はない。



どうしてだろう。こんなに歩いているのに、全然出口にたどり着かない。



怖くなってきた。もしかしたらここから出られないままかも。



「結衣。こっち」


「……祐基?」




その大きな手は、私の手をぎゅっと強く握ってくれた。


胸を覆っていた不安の塊が一気に溶けていくのを感じる。



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