現役女子高生、メイドになります!
「例え、卒業後に離れ離れになったとしても、私はやっぱり、気持ちを伝えたほうがいいと思います。

そうでないと、海様が後悔してしまいそうです」



余計なお世話だと充分にわかっているけど、どうせここまでしゃしゃり出たんだから、今更一言くらい増えたっていいよね。


よく聞くかもしれないけど、言わずに後悔するよりも、言って後悔したほうがいいと思ったんだもん。




「……自分の後悔とか我慢なんて、どうでもいいんだ。それ以上に、彼女の気持ちの方を大事に思うから」



「それって、どういう意味……」



「……深く考えなくていいよ」




海様はゆっくりと正面を向く。少しだけ首を持ち上げて、ガラス越しの空をしばらく仰いでいた。



そのあとで私の方に向き直ると、今までに見たことのない悲しそうな笑顔でこう言った。




「……あいつもきっと、結衣が好きだよ」




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