現役女子高生、メイドになります!
深い意味はないと言ったけど、もしかしたら海様はデートのつもりで私を誘ったんだろうか。


海様の、好きな人に気持ちを伝えることはないと言った、あのときの悲しそうな笑顔を思い出した。



『あいつ、なんでわざわざ……まさか、告られたりなんかしてないよな』


「……いえ、そんなんじゃないです」




風様の声が微かに震えている。何か感づいたのかもしれない。


やっぱり展望台に行ったことは隠すべきだった?ちゃんとした理由もないのに、海様が使用人の私を誘うのは不自然だ。



勉強の息抜きなわけがない。風様だってきっとそう思っている。



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