現役女子高生、メイドになります!
「一人に絞ろうとするから迷うんだろ。時間をかければいいんだよ。

きっとそのうち、結衣は答えを出せると思うよ」




……なんだろう。心の中に一筋の風が吹き抜けていくのを感じた。風様のその言葉は、私の心をすうっと軽くしてくれた。




「ま、のんびりもしてらんねーか。海は高校卒業したら東京に行くしな。あと、半年ちょいか」


「……」


「だけどきっと、それを踏まえた上で、きちんと結論が出るんじゃないの?」




だから今はいいんだよと言いながら、風様は私にティッシュペーパーを差し出した。



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