現役女子高生、メイドになります!
「……あの時、私の手を引いてくれたのは海様ですか?」
翌朝、結衣のその問いに、咄嗟に違うと答えた。どう考えてもあの状況で、ユウキが結衣の手を握るはずがないのに。
それでもあの時、結衣の手を握るのはやっぱりユウキでなくてはならない気がした。
熱のせいなのか、それともユウキがここにいないからなのか、結衣はぽろぽろと涙をこぼした。
父親の葬儀でも泣かなかった彼女が、熱を出したくらいで子どものように泣きじゃくる。
本当に泣きたいときに涙を堪えてしまうから、ふとした瞬間にぷつりと糸が切れてしまうのだ。
このときの涙は、さらに結衣を強い女の子に見せてくれた。
翌朝、結衣のその問いに、咄嗟に違うと答えた。どう考えてもあの状況で、ユウキが結衣の手を握るはずがないのに。
それでもあの時、結衣の手を握るのはやっぱりユウキでなくてはならない気がした。
熱のせいなのか、それともユウキがここにいないからなのか、結衣はぽろぽろと涙をこぼした。
父親の葬儀でも泣かなかった彼女が、熱を出したくらいで子どものように泣きじゃくる。
本当に泣きたいときに涙を堪えてしまうから、ふとした瞬間にぷつりと糸が切れてしまうのだ。
このときの涙は、さらに結衣を強い女の子に見せてくれた。