現役女子高生、メイドになります!
「……ねえ。一度でいいから、俺のこと、風って呼んで?」



風様が私を好きなことを知りながら、こうして一緒にいることは、かえって彼を期待させてしまうことになるのではないか。



それは何度も考えた。だけど、使用人という立場上、私にはどうすることもできない。



どんなことがあっても、風様に呼ばれてしまったのなら、私は彼のところへ行かなくてはならないから。



もしも私が使用人ではなく、風様との関係も友達以上なら、お互いこんなに辛い思いはしていないのに。


私は簡単に彼と距離を置くことだってできるし、風様だって自然と私を忘れていくことができたのに。




そして、海様とだって……




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