現役女子高生、メイドになります!
「風もなんだか様子が変だったな。さっき、あいつのこと迎えに行っただろ?喧嘩したのかと思ったけど」



「……いや、それはないです」



風様も様子が変だった?自分のことが精一杯で、ちっとも気が付かなかった。




『お前、理想高すぎなんだよ』と、あのとき風様は言っていた。


私の二人目の好きな人が風様に気づかれたときの彼の言葉。



風様は私の好きな人、つまり、海様と祐基それぞれに対して引け目を感じていたんだろうな。



帰り道、自転車を漕ぎながら、風様はなんでもないように『俺、あの二人じゃどっちにも勝てねえわ』って投げるような言葉を放った。



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