現役女子高生、メイドになります!
後ろ手で扉を閉めたまま、その場で腰が抜けたようにへたり込む。


扉越しに海様の気配を感じたから、両手で口を抑え、声を殺して泣いた。




……自惚れすぎ。祐基の一番近くにいる存在がどうして自分だと思っていたんだろう。




幼なじみというだけで、祐基のことを何でも知ったつもりになっていた。


実際は違うじゃん。だって私達、中学のときなんて会話したことなんてあまりなかったのに。



目が合ったから、ラインをすることができたから、そんなんで舞い上がっていた自分が馬鹿みたいだ。




そして心のどこかでは、今日見た光景は嘘であってほしいと願っている。



一緒にいたマネージャーとは、実はなんでもありませんでした。というのを、この期に及んでまだ期待しちゃってる。




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