現役女子高生、メイドになります!
海様は、スマホを取り出してゲームを始めた。



「ほら、早く行きなよ。あいつには9時までに行くって言ってあるから」


「あいつって?」


「行けばわかるよ」



わけのわからないまま車から降ろされて、そのまま展望台に入館する。受付で料金を払い、三階のラウンジへ向かった。



海様が言う『あいつ』の正体は、あえて考えないようにしていた。それなのに、私にはなぜかそれが誰なのかわかった気がした。



だから、ラウンジ内のベンチに腰掛けている、見慣れた後ろ姿を見ても驚くことはなかった。



「祐基……」



祐基はゆっくりと私を振り返った。



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