現役女子高生、メイドになります!
――今頃、結衣はあいつから全てを聞かされた頃だろうか。



スマホゲームで時間を潰していたら、充電が残り20%を切ってしまった。


このまま車で待っていてもよかったけど、なにかあったかい飲み物が欲しくなり、俺は展望台に入館することにした。車から降りて外に出る。




「……寒っ」




吐く息は暗闇の中で白く広がり、鼻で吸った空気が冷たく頭に響いた。


ふと空を見上げると、乾いた夜空に満月が輪郭をくっきりと残して浮かんでいる。やはり寒さで、目頭がつんと痛くなる。



結衣達は三階のラウンジにいるだろう。俺は一階のロビーで待っていることにした。





……今、あいつが結衣にしている話は、関係のない俺でさえもかなり衝撃的な内容だ。




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