現役女子高生、メイドになります!
――展望台に二人がそれぞれ、三週目の土日に通うことは、月命日が関係していると思っていたけど、それは違った。



結衣にとって第三土曜日は、仕事が忙しい彼女の父親と交わす、唯一の約束の日だったのだ。




『家族でお出かけをする日』。この展望台にも父子二人で来ることがよくあったそうだ。


つまりここは彼女にとっては数少ない、父親との思い出の場所。




結衣の父親は祐基にこう話した。新しい家族になったら、今度はこの習慣を四人で続けていきたいと。





あいつがここに来ていた理由は、結衣の父親に伝えたいことがあったから。結衣を避けているため、わざわざ曜日をずらして。




< 408 / 506 >

この作品をシェア

pagetop