現役女子高生、メイドになります!
「――俺、結衣の父さんのこと、ここで何度も責めました。


母さんや結衣を残して、どうして死んだりなんかしたんだって」




……それだけじゃない。物心ついた頃にはすでに父親の存在がなかった彼にとって、結衣の父親は自分の父親にもなる予定だった。




「『もしも』を考えるとキリがないんです。



もし、あいつの父さんが生きていたら、俺らが一つの家族になっていたら……


……母さんも結衣も悲しい思いをしなくて済んだんだ。俺だって父親ができることを嬉しく思っていたのに。



それに……俺が結衣を好きになることもなかったと思うんですよね」




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