現役女子高生、メイドになります!
「こんなこと聞いていいのかな……


祐基はさ、結衣を好きになったなら、なんで避けるようなことしてたの。


不謹慎だけど、結局は家族にならなかったんだろ?」




結衣がいつから祐基を好きだったのかは知らないけど、二人は両思いだったんだ。


結衣も今ではすっかり過去を乗り越えている。二人が付き合うことに、何も障害はないように思うけど。




「無理っすよ。俺、ずっとショックを受けた母親と一緒にいたんで。


もちろん今では母さんも立ち直っているけど、結衣の父さんのことは忘れてなんかいないんです。



……なんて言ったらいいんでしょうかね。



家族がどうとか理屈うんぬんじゃなくて、家族になる予定だった結衣と付き合うことが、俺の中であり得ないんです」





……祐基は長い間苦しんでいた。付き合うことはあり得ないと思いつつ、好きな気持ちだけが大きくなっていった。





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