現役女子高生、メイドになります!
「本当にやめてよ。あたし、好きな人いるもん」


「……」



陽菜は一瞬だけ振り返って俺を睨んだあとに、ふたたび前を向いて歩きだした。俺も後ろをついて歩く。




「あたしの好きな人、教えてあげよっか?」




その一言が、ムショーに腹立った。ゴンのことはちょっとからかっただけだけど、真面目に好きな人がいるとか言われたら、やっぱりショックだ。





「……そういうこと、むやみやたらに人に話さないほうがいいんじゃない?」





どうせもうすぐ卒業して、陽菜とは離れ離れになるんだ。これから会えなくなるのなら、わざわざ今傷つく必要なんてない。




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