現役女子高生、メイドになります!
場の空気が少しだけ気まずくなってしまった。前を向いているため、陽菜の表情はわからない。



相変わらず、鼻をすする音だけが聞こえてくる。



「ユッケは?好きな人、いないの?」


「え、俺?……別に、いないよ」


「ふーん、もったいないね。あんた、けっこうモテんのに」


「……」



今は五年生に政権交代したけれど、俺も児童会長をしていたくらいだから、ある意味では有名人だし、そういうのもそれなりに自覚はしている。



そりゃ、モテないよりはモテた方がいいに決まっている。


でも、好きになってもらいたい人から好きになってもらわなければ、それも意味がないんだなって思った。




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