現役女子高生、メイドになります!
……一つだけずっと気になっていたことがあった。


あの買い出しの帰り道、陽菜はいつも送迎してもらっているお手伝いさんを呼ばなかった。



外も寒かったし、スーパーから陽菜の家までは距離もあったのに……




都合のいい考えかもしれないけど、陽菜は俺といること、嫌ではなかったんだろうな。




「……あのさ、次、陽菜に会うとき、ありがとって伝えといてくれない?」



「うん、わかったよ。ちゃんと伝えておく」




俺は、その写真が折れてしまわないようにノートに挟み、窓際の自分の席に着いた。




今日はあったかいな。ふと窓の外を見ると、太陽の光が地面に残った雪を溶かしていた。




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