現役女子高生、メイドになります!
受付スタッフは、遅い時間に未成年が二人で来ていることに怪訝な表情を見せたが、常連の諒が軽く挨拶をすると、すんなりと通してくれた。



夜の展望台は初めてだ。ちょうどこの日は満月が出ていて、ぼんやりと暗い海にその姿を映し出す。




諒はこの景色を前から知っていたのかな。確かにきれいだとは思うけど、なんでこんなところに連れてこられたのかはわからなかった。




「あのね、海。私、卒業したら東京で就職するから」


「えっ?なんだって?」




不意をつかれた一言で、思わず聞き返す。初耳だったのだ。就職する予定があることは知っていたけど、てっきり地元なんだと思っていた。




「お母さんがまだ生きていたときにね、お世話になっていた人が東京にいるの。その人のところで働くんだ」



「なんで、わざわざ……」




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