現役女子高生、メイドになります!
「諒、俺……」



このまま伝えてもいいのかな。言おうとして口を開きかけても、胸の奥にはまだ迷いがある。



俺が思っていることは、きっと諒の夢を妨げることになるから。伝えてしまうと、諒が困ってしまうこともわかっているのに。




だけど、想いを抑え込むのは苦しすぎる。吐き出してしまわないと、息ができなくなりそうだ。




「俺、諒のこと」「ねえ、海」



「……なに」




不自然に俺の話を遮った諒は、挑発的な目をしながらこう言った。




「私、もしも海が『行くな』って言うなら、東京には行ったりしないよ」



「……」




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