現役女子高生、メイドになります!
最初は驚いて目を開けたまま固まっていたけど、徐々に力が抜けてきて、私はゆっくりとまぶたを閉じる。



そのうち、風様の手のひらが私の頬に触れたと思うと、彼の舌が遠慮がちに私の口の中に入ってきた。


舌先に触れた瞬間、身体が溶けたような感覚に陥ってしまった。





「……体勢、きっつ」





風様が唇を離すと同時に、私は目を開けた。すごくドキドキする。優しい顔をして笑う風様の顔がとても近くにあったから。



風様が玄関で靴を脱ぎ、リビングに続くドアを開ける。私もつられたように彼の後に続いてリビングに入った。




満足に家具が揃っていないリビングは、がらんとしている。ソファも座椅子もまだない部屋で、風様は壁に寄りかかるように腰を下ろした。




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