現役女子高生、メイドになります!
「……壊れてしまいそうだった。海の声を聞いたりなんかしたら。
夢とか努力とかも何もかも捨てて、私は海のところに戻ってしまいそうで」
たまらなくなって、俺は諒の手をぎゅっと握った。諒は驚いたのか、俺の顔を一瞬見上げたあとで、何も言わずにその手を握り返してきた。
「そこまで我慢していたくせにね。今年になっておばあちゃんから、海がこっちの大学に進んだって聞いて、ものすごく会いたくなっちゃったんだ」
「諒……」
「私がスカイツリーに通うようになったのは、この春からなんだよ。
賭けみたいなものかな。もしまだ海が私を好きなら、きっとここに来ると思っていた。
……私がここに来て考えていたのは、もうお母さんのことじゃないんだよね」
夢とか努力とかも何もかも捨てて、私は海のところに戻ってしまいそうで」
たまらなくなって、俺は諒の手をぎゅっと握った。諒は驚いたのか、俺の顔を一瞬見上げたあとで、何も言わずにその手を握り返してきた。
「そこまで我慢していたくせにね。今年になっておばあちゃんから、海がこっちの大学に進んだって聞いて、ものすごく会いたくなっちゃったんだ」
「諒……」
「私がスカイツリーに通うようになったのは、この春からなんだよ。
賭けみたいなものかな。もしまだ海が私を好きなら、きっとここに来ると思っていた。
……私がここに来て考えていたのは、もうお母さんのことじゃないんだよね」