現役女子高生、メイドになります!
「……なんだよ、それ。三年以上経つのに、俺がいつまでも諒のこと考えてるって思ってたのかよ」




繋いでいた手をぱっとほどいた諒が、横から俺の顔を覗き込む。





「妄想?願望?もうそれしかないじゃん。そうだったらいいなってずっと思ってた。だから私も、あんたを忘れられなかったのかな」




「……ほんとずるいわ、諒は。そっちが俺のこと拒否ってたくせに」




へへっと諒が笑った。またスルーされるのかよ。……だけど、まあいっか。




諒を失ってからずっと思い続けていた三年八ヶ月。空白だったその日々が、彼女の笑顔を見たたったの一瞬ですべて埋まった気がした。




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