現役女子高生、メイドになります!
隣の部屋で信子さんが休んでいるから、小声で話す。



「ごめんね、こんな時間に。別に大した用事じゃないんだけど」



『うん、いいよ』




祐基の声は、機械越しでも耳に心地よく響く。


全身があったかい空気に包まれていく感覚に陥る。なんだか耳元から溶けてしまいそう。




『どうだった?初日』



「うん、もうね、すごかったさ。家は広くて、テラスとかシャンデリアなんかがあって。ほんと絵に描いたような金持ちっぷり」




私のとりとめのないような話を、祐基は相づちを打ちながら聞いてくれた。



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