現役女子高生、メイドになります!
「寝る前に祐基の声が聞けてよかった。明日からまた頑張れそうだよ。ありがとね」



また少しの沈黙が流れた後に、受話器の向こうで祐基がわざとらしく咳払いをする。




『……うん、俺も』




やっば。これは嬉しすぎてにやけちゃう。祐基も私の声が聞けてよかったってことでいいんだよね?


今の『俺も』って声、もっかい聞きたいよ。



「じゃ、じゃあ、また明日ね。おやすみ」


『おやすみ』



しばらく受話器を耳に当てたままでいたけど、私の方から通話終了のボタンを押した。



そして、スマホを充電器に繋いでから、頭まですっぽりと毛布をかぶる。



祐基は私が電話を切るまで待っていてくれた。



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