ゆめ×むあ[完]
第二十二章
最終話
家族全員と、萌が集まった。
「夢ちゃん…、何かあったの…?」
ゆうたが心配そうに私を見つめる。
「ふぅ…。じゃあ、まず、萌ちゃんについて話すわね。」
萌…。
「彼女は夢亜がやらかさないようにするための……いわゆる、スパイ。」
「「スパイ!!?」」
「ずーっと、行動を見張っててもらったのよね。」
まさか…
そんな…
萌が…
私が萌を見ると、気まずそうな顔をして、
こっちを見た。
「だから…私が転校してきたのは、そのためなんだよね…。」
「家、お金無いからさ、
若さだけが、取り柄で…
一番いい仕事が、これだったの。
最初はただのスパイのつもりだったんだけど…
夢亜が話しかけてくれて…、
仲良くなったら、色々知れるかもって…
思ってたんだけど…、
だんだんこんな仲良くしてくれてるのに、
悪いな…って思えてきて…
だから、クライアントに、
もう、スパイは辞めたいって言いにきたの。」
そうだったんだ…。
隠す方も大変だったし、
辛かったと思う。
私が、萌にゆうたのこと隠してる時も、
そうだったし…。
…。でも、待って。
「クライアント…??」
誰かが萌に指示を出してたんだよね…。
しかも、私が何するか、ただ確認するために、萌の家が助かるくらいのお金を出せる人ってなに…?