常務の愛娘の「田中さん」を探せ!
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『おーいっ、市松人形っ!』

男の子が声を限りに叫ぶ。

『いいか「あこ」!大きくなったら、絶対に迎えに行くからなっ!! ……忘れんなよっ!!』

『大地っ、おまえ、なんてこと言うんだっ!?』

おとうさんが血相を変えて叫んだ。

『「あこ」っ、おれの名前は「大地」だっ!
覚えとけよっ!……忘れんじゃねえぞっ!!』

『亜湖、忘れるんだっ!
たった今、この瞬間に、とっとと忘れろっ!!』

おとうさんは男の子を羽交い締めにして、ずるずる引きずっていた。一刻も早く亜湖の目から引き離したいらしい。

『……「だいち」』

だが、亜湖はこくっ、と肯いて、男の子の名をつぶやいた。

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