常務の愛娘の「田中さん」を探せ!
Chapter3
* 法人営業課の田中さん *
……会議は踊る。
定年間近の本店長が踊ってるのは炭坑節の盆踊り。
バブリっ子の部長たちが踊ってるのはユーロビートのディスコダンス。
ゆとりっ子の課長たちが踊っているのはクラブ(語尾を上げる方の)のhip-hopダンス。
つまり。
若手の「このままではジリ貧だから、とりあえず何かやっちまいましょうよ!」という意見を。
波風立てずに会社人として有終の美を飾りたい古株が「前例がないし、本社がなんて言うか……」と聞かず。
ノリはいいけど優柔不断な中堅が「課長たちがやろうとしていることはわかるぞ!でも、本店長のおっしゃることも、ごもっともです」と中途半端に間に入るもんだから。
結局、決まらないどころか、終われもしない。
……こいつら、家に帰りたくねえんじゃないか⁉︎
大地は思わずにはいられなかった。