常務の愛娘の「田中さん」を探せ!
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「……ごちそうさまでした。あの……わたしが誘ったのに、奢ってもらって……」

田中 沙恵子が頭を下げた。

「役職が下の者に、しかも大学の後輩に、奢ってもらえねえよ」

大地が屈託なく少年のような笑顔で笑った。
彼女が大学の後輩だとわかって、気の置けない感じが芽生えた。

田中沙恵子は初めて見たときの彼を思い出した。
自分が彼に堕ちてしまったときの、あの笑顔を。

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