常務の愛娘の「田中さん」を探せ!
「……チクったって……『あの人』に言っただけだよ!ほかの人には何も言ってないよ‼︎」
田中 望は頭を振った。
「なに言ってんだよ⁉︎ あの人は本社にいるときから『大奥』の『影の総元締め』って言われてる人じゃないかーっ‼︎」
山田はデスクに突っ伏した。
「……大丈夫だよ。『あの人』はおまえが思ってるような人がじゃないから」
田中 望は山田の肩をぽんぽん、と叩いた。
「きっと、いい知恵を授けてくれるよ」
まるで、お寺か神社か先祖のお墓にお参りしたあとかのような清々しさで、田中 望は言った。