雨宿りを君の隣で


だめだ。

何も出来ない。

時間は戻せないって知ってるのに。

なのに何故こんなに自分は何も出来なく

無力なんだろう。

代わり映えのない日常に飽き飽きしていた僕は、空を眺めてはため息をついた。

きっと、真面目に授業を聞いてないこの時間も損をしているんだろう。そう気がついていても先生の話を聞く気にも、手を動かす気にもなれなかった。

別に、特別に悲しいことがあったわけでも、嬉しいことがあったわけでもない。
なのに、ただただ無気力と変な憂鬱さに飲み込まれていた。

まるで、無気力な宇宙に閉じ込められたみたいにふわふわと適当な思考ばかりが浮かんでは、たまに浮かぶ現実に目をつぶっていた。
そうでもしないと、楽なその場所は酸素がなくて苦しかった。

「五月病……ってやつかな……」

古典の授業中だったため静かな教室に僕の声が響いてしまったか、と少し焦って目だけを動かして周りを見たがみんな眠いのか僕の声に気がついた人はいないようだった。
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