溺甘豹変〜鬼上司は私にだけとびきり甘い〜
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それから少しして電車は走り出した。結局一時間近く停車していて、私はその間ずっと九条さんに寄りかかっていた。最後の方は睡魔にまで襲われ、自分の図太さに驚いた。九条さんにいたっては、最後まで涼しい顔をしていた。
周りからはため息や帰りたいという愚痴が飛ぶ中、ただ窓の外を黙って見ているだけ。時折私の様子を伺っては、声をかけてくれた。
本当に頼れる上司。それでいて尊敬できる人。彼女になる人はきっと大切にしてもらえるんだろうな、なんて考えながら、二人で福々亭へと向かった。