溺甘豹変〜鬼上司は私にだけとびきり甘い〜

「まっ、待ってください! ダメです!ユリさん!」

ギュッと目を閉じユリさんの胸を押す。

「ちょっとだけよ。舌なんて入れないから」

いやいやそういう問題じゃありませんから!ずっと友達だった人に急に迫られたら誰だって戸惑います!お願だから思いとどまって!

「ふふ、うろたえる西沢可愛い」

薄っすらと目を開けるとぺろりと舌をだすユリさんがいて、もう観念するしかないと思った。久しぶりのキスは、九条さんがよかった……。

「ストップ」

諦めかけたとき、低い声が間近に届いた。

「んん?」

それと同時に口元を大きな手に覆われていることに気が付きそっと振り返った。

……え? どうしてここに?


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