溺甘豹変〜鬼上司は私にだけとびきり甘い〜


「あの、朱音さん、結婚て本当なんですか?」
「あっ!青葉ちゃん! いたんだ!」

いやいや、あなたが来る前からいますからと思いつつ、やや引きつった笑顔で頷く。相変わらず周りが見えていないというか、猪突猛進と言うか。

「実はそうなの! 昨日ようやく会えて、そしたら結婚しようかって言ってくれて! 幸せすぎて死んじゃうかと思ったー!」

興奮気味にそう言ったあと、思いっきり抱きつかれた。その様子を九条さんはやれやれと言った顔で見ていて、ユリさんも真壁くんもやや苦笑いで見ている。

「……よ、よかったですね」
「うん! ありがとう! 青葉ちゃんは好きな人とうまくいった?」
「え……っと、まぁ」
「そうなんだ! よかったねー! ダブルでおめでたいね!」

さらにキャッキャと足踏みをする。
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