溺甘豹変〜鬼上司は私にだけとびきり甘い〜




「えー! いいんですか! こんなレアなものもらっちゃって!」

西沢の高揚した声が真っ青な空を突き抜ける。その声にテラス席に座る他の客が何事だとばかりに振り返ったものだから、西沢は慌ててすみませんと頭を下げていた。

「いいのいいの! こんなの俺の家にいっぱいあるから。青葉ちゃんにあげる」

馴れ馴れしくちゃん付けで呼ぶのは今挙式を終えたばかりの井上で。式が終わったら一緒に食事をしようと誘われ、席につくのと同時に、自分の会社の看板ゲームであるマスコットを西沢に手渡してきたのだ。

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