溺甘豹変〜鬼上司は私にだけとびきり甘い〜
部屋についたプールも、オーシャンビューもこれじゃただのお飾りだ。目の前にある開放感に溢れたその素肌だって、なんだか触れるに触れられない。
そんな俺の気持ちなんて知るよしもない当の本人は、おめでたいことに、俺の名前を呼びながら寝返りをうつ。
その反動で乱れたサマードレスからさらに白い足が露わになって、思わず目を反らした。
なんだか修行でもさせられている気分だ。異国に来てまでこいつに振り回されるとは。
このままじゃ大人げない真似をしてしまいそうで、一人冷蔵庫にあったビールを片手にデッキへと出た。