溺甘豹変〜鬼上司は私にだけとびきり甘い〜

おばちゃんは確か一人暮らしだった気がする。家族も遠方だと言っていた。
生き埋めなんてことないよね?お店、流されてないよね?嫌な考えが頭に浮かぶ。

「西沢どうしたの? 今日くらいコンビニで我慢したら?」
「……私、行きます」
「え? だから、たぶん営業してないと思うわよ」
「助けに行っていきます!」
「ちょっ、助けにって、西沢―!」

ユリさんが止めるのも聞かず、一目散にオフィスを飛び出した。行ってあげなきゃ。もしかすると助けを待ってるかもしれない。待ってて、おばちゃん。

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