溺甘豹変〜鬼上司は私にだけとびきり甘い〜
勤務終了時刻に近づくにつれ、憂鬱さが増していった。
もしかして真壁くん、私のこと好きだったの?なんてありえない妄想まで働き始める始末。でももし万が一、おしゃれなお店で告白でもされたりしたらどうしよう。ずっと好きだった、なんて言われたらなんて答えよう。
そんなことを考えながらチラリと彼を盗み見ると、真壁くんはそわそわする私とは裏腹に、いつもと変わらない様子でイヤホンをつけ仕事をこなしている。
あえていつもと違うところを挙げるとすれば、少し寝癖がついていることくらいか。