溺甘豹変〜鬼上司は私にだけとびきり甘い〜
ようはいつも通りで、もし仮に告白をすると心に決めていたとしても、きっと女慣れしている彼は動揺も緊張感もださないだろう。
ということは、どういうことだ?あー、わからないわからない。どうしようどうしよう。告白されたら断るの?受けるの?そもそも私、真壁くんのこと好きだったっけ?
「西沢」
「ひゃっ!」
背後から突如低い声で呼ばれ、思わず飛び上がった。
「く、九条さん!」
「驚きすぎだろ」
「す、すみません。ちょっと考え事してたもので」
そうしどろもどろ言う私を、真壁くんがクスクスと笑いながら見ているのが視界に入る。なんだか変に意識しちゃう。
「お前この後時間あるか?」
そんな挙動不審な私に向かって、九条さんがおもむろに言う。