溺甘豹変〜鬼上司は私にだけとびきり甘い〜

「お! あの子可愛い」

「……」

「あっちの三人組もいいな!」


直前までうだうだとあれこれ考えていたが、案内されたカウンター席に着き彼を見ていたら、どうやらすべて私の取り越し苦労だったということがすぐに判明した。

席に着いてからメニューそっちのけで、ずっとこの調子。


「あのさ、ナンパ目的なら一人で来たらよかったじゃん」

目を輝かせ、女の子を品定めする真壁くんに、たまらず冷やかに突っ込んだ。


「そんなんじゃないですよ。可愛い女の子見つけるのが趣味なだけ」


だが真壁くんは再びそうあっけらかんと言う。

なにその得体の知れない趣味は。そんなことに私を付き合わせないでよ!

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