溺甘豹変〜鬼上司は私にだけとびきり甘い〜


だけど聞こえたきたのは留守電のアナウンスで、仕方なくそれにメッセージを残した。

「もしもーし、西沢です。今会社の近くのチーズダイニングバーにいるんですけど、よかったら来てください。一人で寂しいので」

最後はなんだかろれつが怪しかったな。まぁいいかと、テーブルに突っ伏す。早く来ないかな、ユリさん。

ーーーーーー

ーーー……


コトン。

とわずかに聞こえてた音に、ハッとして顔を上げた。そしてゆっくりとその方向を見ると、隣に腰掛ける人影があった。あ、ユリさん。来たくれたんだ。

「お疲れ様ですユリさん。来てくれたんですね」

目をこすりながら体を起こす。どうやら少し眠っていたみたいだ。


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